電気で働くアシスタント

補描器

外国にはレオナルドダビンチのようにいまでもフリーハンドで製図のできる人がいると聞きます。日本でもトレーサーは等高線などを引くのに雲形定規は使っていないとおおもいます。しかし、世の中には不器用な人、軽い障害を持った人が多いのもまた事実です。

自分は15年前ワープロが出始めの時分、月給をはたいてワープロを購入しました。字が下手だったからです。

同じく表計算ソフト(ロータス・123)が出ると、これまたすぐに廉価版を購入しました。よく計算間違いをしていたからです。

データベース機能も電子手帳の時分から使っていました。軽い記憶障害(アルツハイマー病か?)があったからです。

CADも同じです。
実はCADを使うまでほとんど図面を描いていませんでした。線と線が合わなくなって途中で投げ出してしまったからです。手が震えるという障害も持っているのですが、脳にも欠陥がありました。図面とは3次元空間を把握でき、精度よく描画できて初めて線がつながるのです。

こうしてみると、字が下手で、計算能力に欠け、物忘れが多く、手が震えるうえに三次元空間が理解できないというヘレンケラーのような身体障害者の姿が浮き上がってきます。そういえば目も悪い。

そういう障害者にとって、CADをはじめとするパソコンは社会参加への大切なアシスタントです。歩行障害者の車椅子、難聴者の補聴器、心臓疾患者のペースメーカーにさえ相当します。障害者にとって補助器具は身体の一部なのです。

考えてみると、パソコンを取り上げられたらなにもお仕事出来ません。少しサイボーグになっていますね。