電気で働くアシスタント

精密な図面

「手書き」でさんざんCADの図面をけなしておきながら、ここでこういうのもなんですがCAD図面は手描き図面より精度では絶対に優れています。絵としての評価と設計図としての評価はまた別です。

ロットリングなどで0.1ミリを謳っていても、実際には紙の関係で0.3ミリとそう違わない線幅になってしまいます。その点CADのプリンターの打ち出しは0.1ミリの線幅は実現できます。無味乾燥なCAD図面でも、正確で高精度なのが「良い図面」と評価する人もいるでしょう。パソコンが高精度なのは当たり前ですが、印刷またはプロッタ出力した図面もまた高精度なのです。

以前横断図用のセクションペーパーに河川の横断図をプロッタ出力したときのことです。どうしても方眼線が線一本(0.3ミリ以下)ずれるので何度もやり直したことがありました。原因はセクションペーパーの印刷グリッドの精度でしたが、確認に使ったアクリル定規の精度も悪かった。

このとき寸法とはなにを測定原器とするべきかという根本的な問題に立ち返ることになりました。最終的には1mのステンレス定規を探してきて、精査して解決しました。

1mで0.1ミリの誤差。

そしてステンレス定規で問題が解決したということは、使用しているプロッタの精度もおなじく高精度だったということです。

いま現場では打ち出し図面を三角スケールで読みとって寸法を確認しています。紙の図面だと伸縮があるのですが、それでもほとんど設計寸法と相違はありません。またプロッタに比べるとインクジェットプリンタはさすがに低精度ですが、それでも白焼きコピーよりはましです。精密な図面は、現場管理で楽です。

そういう意味で、CADを使っていて引き出し線(寸法表示)に意味があるのかなという疑問を持ち始めました。CAD画面上でも、出力図面上でも定規を当てれば正確な寸法が出てくるのだから、煩雑な寸法線は必要ないじゃないかという考え方です。

いまはまだ異端の考えですが。