カスパロフ対ディープ・ブルー

図工対CAD

CAD平面図のサンプル
一般にCADは製図の道具のように思われていますが、自分の使用した実感からすれば、CADは設計プログラム(測量、設計、数量計算)に適しており、肝心の製図機能のほうはまだプロの図工に及ばないようです。現状ではプロッタ出力した図面をトレーサーが清書したものが最適ではないでしょうか。

問題は線の表現力です。

CADを導入する際、現場(担当者)が積極的になれない本当の理由は模様のような図面しかできないという失望感です。

墨の線には太さと、濃度があります。そしてそれらがリズムを持って図面を表現しています。

これは製造業の話ですが、決裁の上がってきた設計図を一目見て即座に設計ミスを指摘していた課長がいたそうです。普通、複雑な機構図で干渉問題などの三次元欠陥や応力欠損を一目で指摘できるはずがありません。その課長は図面を見ていたのではなく線を見て判断していたといいます。設計者が不安な箇所は線もまたそれを表していたそうです。

干渉問題や応力解析結果などで設計者の不安感といった心理状態まで線に暗示させるのは不可能としても、いまのドットがただ並んだ状態というよりもうすこし表現力を工夫する必要があるようです。

将来的には手描きのシミュレーションが理想でしょうか。VectoreWorksで提案されているスケッチライン(手書きシミュレーション)などがそれに当たりますが、まだ実用段階ではないようです。
現時点でCAD側が提示している装飾機能は線種、線幅、線色、マーカーなどです。これらを組み合わせてできるだけ違和感の少ない図面を模索中です。

砕石基礎の事例紹介
・ 砕石のアウトラインを表示する
・ アウトラインを破線にする
・ アウトラインをグレースケールにする
・ ハッチングを用いる
・ 枠を破線にする