カスパロフ対ディープ・ブルー

図工 対 活字

現時点の土木現場で一般的な作図方法は、線は烏口で引き、文字はキャドライナーの活字というものではないでしょうか。

施工業者の担当さんもよくキャドライナーをつかって変更図を描いています。いちど使い始めると、もう手書き文字はいやになるといいます。

自分も使ってみたことがあります。たしかに楽です。もう手書きで「急傾斜地崩壊対策事業・・・」などには戻りたくなくなります。

それにしても図面を描く人で、自分の字に自身のない人が多いのには驚きです。「キャドライナーだと字がきれいだから」というのがその理由ですが、決してお粗末な字ではないのです。活字並にキレイで、また活字より読みやすい字なのです。それなのに活字を使ってしまう。字は自らを表す。人に自分の字を見せるのははずかしいということでしょうか。

その活字文字にくらべ、同じ機械(CAD)の線を毛嫌いする理由はどこにあるのでしょう。 書家に対するワープロと図工に対するCAD。どこが違うのでしょうか。

そういえばワープロが出始めの時分、24ドットだとか18ドットだとか文字を点々で表現していた時期がありました。それがいつしかアウトライン図形となり、いまでは毛筆まで可能です。現時点のパソコン機能はほとんど自動書家とまで呼べる域に達しています。ロボット書家です。

CADではまだそこまで発展していないということでしょうか。
製図についても出力図の表現にまで注意がいってほしいものです。
効率優先の米国のCADベンダーさんにまかせているといつまでたっても線の表情など望めそうにもありません。