図形の加工

【設計の機能】

図形の加工とは、変更・修正のことです。
ですから図面をトレースする場合などの単純作業では、この加工機能は使いません。
ここでは何をどんな目的でどうのように変更するかが重要です。
つまり図形の加工とは設計そのものになります。
単に作図の利便性のために加工処理を行うこともありますが、
そういった場合でもかならず設計作業が先行します。
土木では設計作業をともなわない単なる図形加工というものはひとつもないはずです。

加工では、作業する前にまず対象物(図形データ)が必要です。
対象図形を選び、それを変形します。
掘削後基盤岩が上下していればそれに合わせて基礎を変形処理します。
路線計画で、コントロールポイントが新たに加われば、それに応じて中心線を変更します。
まず変更しなければならない要件が生じるのが先で、設計検討がそのあとです。
図形の変更は最後です。

一般に公共事業は法で管理されていますので、
一度着工した工事や完成した工事を途中で手直しすることは原則としてはありません。
いちど動き出したら止まらないと称される公共事業の本質はここでも重要です。

しかし、土木の仕事は現場に合わせた一品生産ですので、現場での修正はとても便利なものです。
車庫前で歩車道境界ブロックを工事中の業者さんに、
無理に頼み込んで出入りしやすいように切り欠いてもらったり、
逆流して困っている暗渠の出入口を水流の流れに合うように調整したり、
工事中における細かな修正の要望はよくあります。
厳密にいえば不正なのかもしれませんが、
利用者に合わせた細かな修正は現場ではよくあることです。
これなどもCADの加工コマンドの仕事になります。