arc円弧ツール

【円弧もまた面属性を持つ面図形です】

円弧ツールで円弧を描くと扇型の図形が現れます。
ここでの円弧は面図形なので、データ上は扇形の面図形です。
ふつうは塗り潰し無しにして円弧部分(線分)だけを表示させます。

多角形などの面図形はたとえ線を非表示にしていても消した線をピックアップしてしまうのに反し、
円弧ツールで引いた円弧は表示された曲線部分のみを選択範囲に出来るようです。
つまり円弧からかけ離れた中心点付近のクリックで
間違って円弧を選択してしまうことはないということです。
こんなところはちょっと面図形からはずれています。
でもデータ上はArc(X1,Y1,X2,Y2,angle1,angle2,reak)などのように
しっかりと中心点を含んでいますので単なる線分ではありません。

なお円弧の中心点は、曲線部分を選択すれば画面上に表示されます。

【路線図の作図】

中心線作図ではBC,IP,ECの3点で「直線に接する円弧」で円曲線を引きます。
道路線形の緩和曲線では一般にクロソイド曲線が使われますが、これはCADツールにありません。
緩和曲線が必要であれば、曲線を分割して各節点を直線なりキュービックスプライン曲線でつなぎます。
道路設計などの線形計算ではBASICなどのプログラムで線形計算を行いますので、
その各端点をプロットしてゆくこととなります。

CAD画面上だけで道路線形を作図する場合は円曲線のみを含む線形となりますので、
検討設計の場合に適するようです。
具体的には、各IPを多角形で作図し、編集(2D変形)ツールでRを入力しIP点をSP点に変換します。

これまで(旧ヴァージョン)の円曲線作図では、
ポケコンの線形計算とCAD作図での中間点座標とかが数ミリ違うことがありました。
曲線中にNo.測点をプロットしてゆくのにCAD上の円弧長で割り振っていた関係かとも思っています。
今度のVectorWorksV9からは16桁の精度となっているので、
これからの線形計算で2ミリ以上座標値が食い違うことがあれば原因を確かめてみようと思っています。

【使い分け】

面取りなどのコーナー処理にはフィレットツールを使います。
岩盤線表示や石積み表示などでは「2点と中心による」をつかいます

土木で、線形計算とフィレット以外に曲線を使うといえば、地形記号が主ではないでしょうか。
平面図の水路記号とか横断図の岩盤記号の凸記号です。
こういった記号処理の場合は基本図形をシンボル登録してペーストすることがよくあります。
水路記号などではパス複製も使ったりしました。
でも複製だとどうしても模様になってしまうのが難点です。

ここでわざわざ「2点と中心による」を紹介したのは、
記号をひとつひとつ描いて絵を描こうということです。
決して手描きにはかなわないのですが、CADはCADなりに工夫の余地がありますので、
ひとつひとつ記号を描いてゆくのもそう効率が悪いばかりの話でもありません。
まえにコンピュータはスピードが命と申し上げましたが、
エディタのように素早い操作がかのうなソフトであれば手描きよりもはやく作図することは可能です。

なお、記号作図の場合は作図効率のためにスナップ機能を全てはずしておきます。