テキスト

【テキストは図形ではなく表示情報(フォント)です】

図形でないということは、CADデータとしての実体を持たない、
ナスカ絵のような大きさを持たないということです。
ただし自体をもたないとはいっても2D基準点とは違い
WHSIWYG(ディスプレイそのままがプリント出力される)の原則には即しています。
つまり表示のように印刷されます。

図形のように変形はできませんが、「スケールテキスト」といって
図形や縮尺の変更に合わせて大きさを調整することはやってくれます。

でも図形ではありませんので、長さや面積などの量の属性や合成・結合などの変換はできません。
派手な3Dテキストをつくってみたい場合は、
一度テキストを「TrueTypeを多角形に変換」コマンドで曲線に変える必要があります。

V8以降テキストは図形なみに大分扱いやすくなりました。
テキストエリアの四隅にスナップが可能ですし、
やろうとおもえば寸法だって設定できます(でも意味はありません)。
本来フォントは図形とは異なる印刷用のデータ形式のはずですが、
それが図形に近づいてきているようです。

たとえば、テキストの回転・拡大縮小処理がスムーズになっています。
回転処理したテキストの追加修正にもシステムは追従してくれます。
こういったテキスト処理機能は全てMiniCADの頃からあったものですが、
以前は処理後に手を加えなければならないことが多かったのが、いまではスムーズに処理されます。
特に斜め引き出し線に細かな規格寸法情報を盛り込むことが多いので、
斜めテキスト処理がスムーズになったことはありがたいことでした。

【フォントには平成明朝を使っています。】

デフォルトのOSAKAフォントはディスプレイ用に採用されたためか、
画面表示では判別しやすくて便利なのですが、肉太フォントのために印刷には向きません。
平成明朝は印刷用のフォントですが、これは文章印刷用として開発されている文字なので、
図面用としてはこれでもまだ個性が強すぎます。

図面では線や図形が主役で、文字や文章は脇役なのですから目立つフォントは失格なのです。
製図用フォントに近いのはCourier(英字フォント)くらいでしょうか。
なかなか製図用フォントに向いているのはありません

図面出力に使うだけなら、プロッタのROM内蔵フォントを使う方法はあります。
MacPlotProなどペンプロッタ専用ドライバを使うと
プロッタ機本体に内蔵されている製図用漢字フォントで印刷されます。
このフォントは図形と同じ線幅で肉厚がなく、図面の邪魔になることがありません。
しかもディスプレイ上はOSAKAを使おうが平成明朝を使おうが印刷に影響はないので便利です。

【数量計算書や断面数量などは一つながりのテキストブロックとしてまとめます】

CADのテキスト処理は、基準点No.や構造物名称、図面名称などの個々の情報を
バラバラに配置するための機能ですが、
数量計算書や工法検討書などでは一定の文章をブロックに仕込むこともあります。
ひとつのテキストブロックの中でもフォント種類、大きさ、色などは個別に変えられますが、
インデントが使えない、行間変更は個別ではない、エディタのようなスクロール機能がないとかで、
一定以上の量を超える文章は無理が出てきます。

また、テキストはその名のとおり数字のデータフォーマットもテキスト形式となっています。
このため数量とか座標値とか「数」を取り扱う場合は、
原則ワークシートの活用を考えるべきと思っています。
ワークシートでは整数なり少数なりの数量が扱えるからです。

Excelなどではソフトの方で数やテキストの特性を判断してくれるので
数量計算のコピペが簡単ですが、
やはり断面積などの数量は実数で扱っていた方がミスが少ないようです。
特にペースト相手がExcelなどの表計算ソフトの場合、
ワークシートの選択セルがそのままコピペできるのは便利です。

【日本語を使用しているとショートカットキーがうまく作動しません】

描画中はできるだけ英字入力にします。
この英字入力には2つの方法があります。
メニューの言語形式(フォント)でU.Sを選ぶか、
ATOKなどのInputMethodで半角英数入力を選ぶかです。
キー操作としては前者がコマンド+スペース、後者がoption+スペースです。

一般にはInputMethodで設定するほうが確実です。
というのも言語形式でU.Sを選択していても、
テキスト処理の場面になると自動的にATOKに変わってしまうからです。
逆に英数値の入力制限がかかっている場合などは自動的にU.Sに変わっていることもあります。