画面移動(View)

ショートカットキー(コマンド-X)で掌アイコンのパンツールをつかってます

元に戻るのは取り消しコマンド(コマンド-Z)が便利です

描画コマンド中では、自動スクロールといって図形を画面の外にドラッグすると画面が自動的に移動するという機能もあります

パンツール

CADのインターフェースは現実の机の作業を模倣して作り出されています。
ヴァーチャル空間で紙とペンを操る疑似ドラフターです。
この掌アイコンのパンツールも同じです。
机の上で図面をずらすのです。
えっ、逆でしたか?
ドラフターの場合は製図者のほうがずれてましたっけ。
ま、とにかくMacでは掌アイコンで図面のほうを
あっちこっち動かすように決まっているのです。

このパンツールの利点は動作が速いことです。
V9からはスペースバーでパンツールに切り替わるようになっています。
こんな操作、CADとしてはあたりまえの機能なのに、導入が遅れていました。

ただし入力メニュー(ATOK)が英字に切り替わっている必要があります。
これは多角形などの作画コマンド中であっても使えます。

似たような画面移動として、
作図中にカーソルを枠にぶつけて画面を寄せる機能もそなわっていますが、
前のヴァージョンよりも動作が遅くなったようです。

【ウィンドウ枠のスクロール】

作図では細かな移動が難しいのであまり使うことがありませんが、
画面スクロールのなかでは最速です。
パンツールも結構速いのですが、速さではスクロールバーのドラッグにかないません。
平面図などデータが大量でパンツールでも重くなってきたら
「ウィンドウ枠のスクロール」の方が便利なときもあります。
OSレベルで制御しているから速く動作すると思われます。

【オプティカルマウス】

画面移動には掌アイコンのパンツールが早くて使いやすいのですが、
英数入力状態でないとショートカットキー(z)が使えないのが不便です。
最近4年近く使っていた純正マウスがクリックしにくくなったので
Logicoolのホイールオプティカルマウスに替えたところ
そのまま人差し指でホイールを回してスクロールできるので便利してます。
ただしCAD画面上ではスクロールが遅く、使い勝手はパンツールにかないません。

【CADの優劣】

市場にはいくつかのCPU(Pentium、AMD、PowePC)や
いくつかのOS(UNIX、MacOS、Windows)や
星の数ほどのCADソフト(AutoCAD、MicroStation、BLUETREND、・・・)
があって選ぶのも大変です。
どの機械、どのソフトを使えばよいのかだれしも迷うところです。

ではパソコンやCADの優劣はいったい何によって決まるのでしょう。
わたしはスピードだと思っています。
これは自分に限らず、およそコンピュータに関係する人のほとんどのひとが
スピードこそコンピュータ能力の全てだと考えているのではないでしょうか。
MacでVectorWorksを使っている自分がいうのもなんですが、
やはりCADシステムでもスピードが速いものが優れていると断言して良いでしょう。
問題は何のスピードが速いかです。

ほかでも書きましたが、CADを触っている人で
描画や図形加工機能を使っている時間はかなり少ないと思います。
ほとんどは画面移動に時間を使っているのではないでしょうか。
またパソコンの機能から言ってもディスプレイの再描画は結構CPUの能力を必要とするモノなのです。
そういう意味で言うと画面移動速度がCADスピードのひとつの目安となります。

線も引けず、断面計算もできず、データになにも触れないで、
単に画面だけがちょろちょろと素早く表示されるという、
ただそれだけの機能でCAD全体が評価されてたまるかという意見もかもしれません。
しかし、本格的な土木設計をされている技術者でも
案外複雑な図面の表示速度にいらいらされているの方は多いのではないでしょうか。
CADは一種の図形(座標値)管理データベースという見方もできますので、
テキスト処理のエディタソフトのように目にもとまらぬ高速スクロールはひとつの理想でもあります。

これまで触ったことのあるCADは、VectorWorks、AutoCAD、JW-CADと数少ないのですが、
複雑な山地地形図を目にも留まらぬスピードで高速スクロールできそうなソフトには
まだお目にかかったことはありません。
つまりソフトやCPUの違いはそれほどでもないようです。
※なお最新ヴァージョンでVectorWorksは遅くなってます。

そんなことより、ソフトに習熟して画面設定の瞬間移動(テレポーション)機能などを
自由自在に扱えるように訓練する方が、よりスピード向上(生産性向上)に役立つとおもいます。

そういえば20年ほど昔のテレビ番組で電卓とソロバンとでどちらが速いかの競争を
放映していたことを思い出します。
結果はソロバンの圧勝でした。
つまり利用者+CADシステムで考えなければならないと言うことです。
※(高段者はかならずしもソロバンを弾いてはいない、いや手に取ってすらいないことに注目してください。)