展 開 図
はじめに(展開図はお絵かき?)
- 展開図では原則として下端を水平で作図し、標高差はこれを表現していません。
また延長は作図上、測点間距離を延長とし、上端・下端の延長が異なっても
図面には反映させていません。これは路側擁壁などの一般的な土木構造物は
不定形の曲面となる場合が多いので精密な展開図は無理だからです。
- これがさらに、ブロック積みなどプレキャストを部分的に用いる場合は、
道路や流路に直角方向か、鉛直方向かでまた展開図が異なるのですが、
これもあまり正確(精密)には作図していません
- そういう意味で展開図はCADでありながら一種のお絵かきといえます。
お絵かきというのは、CADの寸法線コマンドや座標値データが使えないということです。
- 三次元形状を二次元に展開するのは難しいので、
精密な展開図の実現は3Dを待つしかないようです。
- もっともその3Dモデルがはたして展開図(平面)と呼べるのか
という課題はまだ残ります。
擁壁展開図
- ここでは急傾斜の山留め擁壁を例に取りました
- 実際には上端の延長と下端の延長と測点延長はそれぞれ異なります
また下端、上端でも前面延長と背面延長ではこれも異なります
最終的には上端、下端、前面、背面の4点の延長を平均しました
さらにいえば、メジャーで計測可能なデータは斜距離しかありません。
- 各延長は斜距離を水平距離に換算しています。
- なかなかややこしい限りですが、現実には測点間距離で算出した
コンクリート数量と前後上下寸法で算出した数量とは1m3程度しか
違いはありませんでした。
しかしこういうお金の絡むところは手抜きはできないことになっています
急傾斜工事
- 数量計算作業では断面数量確認用に何度か図面を出力します。
コンピュータのディスプレイは見た目はキレイなのですが、
解像度が低いので画面を縮小すると数字の読みとりができないからです。
決裁用では6ptくらいに押さえていますが、プリンターだと3pt程度までは読みとれるようです
- ここでは数量計算をテキストで処理しています
- 一般に土工などでは土坪計算書としてワークシートを使い、
展開図などでは電卓で計算しています
- 型枠数量、側溝延長くらいはCADデータパレットで検算できます
- コンクリート数量の検算が課題ですが、これは3Dモデルを簡単に作る方法を試行中です